病院での医療とどう違うのでしょうか?
病院の医療は病気の診断と治療が主な目的となります。しかし高齢化に伴い、完全に治癒しない病気や治療法があっても様々な理由で実施できない状況が増えてきています。その場合は病気と共に生きる人生を支えるため、病気による苦痛の緩和や悪化をできるだけ防ぐことが必要になります。
様々な理由で外来に通院できなくなった場合、在宅医療はその役割を担うことで生活、ひいては人生を支えていくことになります。
在宅医療を受けると、病院での医療はもう受けられないのでしょうか?
外来通院を続けながら在宅医療を受けている方もいます。例えば月2回の在宅医療を受けながら、3ヶ月に1回専門医の外来に通院する方など。この場合定期的な専門医の診察や検査を受けつつ、日常的な困りごとは在宅医に相談して対応してもらうといった関わりになります。
在宅医は必要と感じたら病院の医師と連携、情報共有します。
在宅医療はどれくらいの費用がかかりますか?
「訪問診療」の「診療にかかる費用」をご覧ください。
色々な科の病気を抱えていても在宅医療を受けられますか?
在宅医は総合診療医、家庭医と言って特定の科の病気以外も幅広く診察、対応することができますので、複数の科の病気を持っていても在宅医療を受けることは可能です。
ただし当然ながら全ての科の全ての病気に対応できるわけではなく、病状によっては専門科の対応が望ましい場面も多々あります。その場合は在宅医療を受けながら専門科の外来にも通院することをお勧めしています。
在宅医療を受けていて、困った時にはどうすればいいでしょうか?
お渡ししている緊急連絡先にまずご連絡ください。24時間365日対応可能です。運転中や他の方と話し中の場合などはすぐに電話に出られないことがありますが、その場合は5~10分以内にこちらから改めてご連絡させて頂きます。
電話での対応だけではなく、必要と判断した場合は往診することも可能です。
どんな時に緊急連絡先に電話したら良いでしょうか?
こんなことで電話していいのかしら」と思ったタイミングこそが電話するタイミングです。一人で考えて悩むくらいなら、何曜日でも何時でも構いませんので電話をください
救急車を呼ばなきゃ!と思った時も電話した方がいいですか?
できれば連絡を頂いた方が良いです。連絡をいただくことで、救急車を本当に呼んだほうが良い状況かどうかを判断できる、救急車を呼んだ方が良いと判断した場合に搬送先の医療機関、医師に情報提供ができ迅速な対応が可能になる、その後入院となった場合病状や退院について後日病院から連絡をもらえることなどがあります。
そうは言っても気が動転してしまい冷静に判断が難しい場面は多々あると思います。その場合は「救急車呼んじゃいました」と事後報告でも良いのでご連絡を頂けるとありがたいです。
自宅で看取った経験がなく不安なのですが、最期まで家で過ごすことは可能なのでしょうか?
大半の方は自宅で親しい方をお看取りした経験はないと思います。初めてのことで不安になるのは当然ですよね。大切なことは、不安に思っていることを不安だと伝える、できないと思うことをできないと伝えて頂くことです。自分たちで全て完璧に介護をして、生活を犠牲にして最期まで全力を尽くすことは必須ではありません。
100点満点を目指そうとせず、60点くらいで良いです。できないことは我々専門職が連携して支えますし、不安に思うことはできるだけ解消できるよう、分かち合えるような関係性を築いていきたいと考えています。