以前みていた方が好きだったペヤング。美味しいよねっていう話をしていたら、次の訪問の時に1箱くださいました。全部で18個入っていました。一つ一つ大事にいただき、食べ切る前にその方は亡くなりました。最期に言われたのは「先生、8年間ありがとうね。体に気をつけて元気でいてくださいね」でした。
前職の外来に通院している時からの付き合いで、当院開院後も外来に通院していました。がんの経過を毎回聞きながら、抗がん剤と手術を何度も乗り越え、弱気な割には副作用や後遺症もなく、StageⅣのがんを発症しながら5年以上元気に過ごしました。色々な決断がなかなか出来ないと見せかけて、重大な決断はあっさりと出来てしまう強い方でしたが、最期の方は多少、弱い部分も垣間見えました。しかし最期の最期は弱音ではなく僕への労りの言葉で締め括り、僕の方は言い淀んで気の利いたことは言えず仕舞でした。在り方に敬意を払いながら一つずついただき、最後の一つになりました。無くなる前に備忘録として記載しておくことにしました。