お看取りに伺ったら、奥さんが両手を挙げて待っていた。お互い無言でハイタッチ。そんなお看取りは初めてだった。
長年難病の夫を支え続け、状態が悪化して危ない場面が何度もあったが、ある時は入院、ある時は自宅で出来る範囲での対応をして、多職種が濃厚に関わり支えてきた。弱ってきてからも家族旅行やバーベキューへ出かけることができた。難病を発症してから約6年、訪問診療を始めてから約3年半、本当に色々なことがあり何度も難しい判断を迫られたが、その都度全力でみんなで乗り切ってきた。きっと奥さんもそう思ったからこそのハイタッチだったのだろう。
そんな奥さんに、当院の看護師がしばらくぶりに会いに行ったら色々な話に華が咲き、お土産としていただいたのがこちら。どう見てもツマミ。奥さんは介護の合間にビールを飲み、色々とツマミを食べて頑張っていた。いただいたツマミを食べながら色々なことを思い出す。この積み重ねが、自分をまた成長させてくれる気がする。